22.お梅哀歌
作詞:下地亜記子
作曲:西條キロク
雪が舞い散る 浜町河岸を
つらい運命が 通せんぼ
欺すつもりは なかったけれど
恋の未練が 夜叉にする
お梅 血染めの 蛇の目傘
巳之さん堪忍しておくれー
最初から欺すつもりじゃなかったんだ…
でも大夫とは
どうしても別れられない…
あぁ…巳之さん、お前一人を死なせやしない
大夫の襲名披露が終わったら、
きっときっと梅も後から行くから…
どうぞ許しておくれ…
罪の重さに 身を凍らせて
逃れやつれた 乱れ髪
せめてあなたの 夢晴れ舞台
一目見させて たのみます
お梅 せつない 除夜の鐘
大夫、女房と呼んで下さって…梅は幸せ者です。
波に千鳥のあの艶姿、あの拍手、
あぁ…これでもう思い残すことはない…
津の国屋ァ…津の国屋ァ…
涙かくして 門出の切火
あなた見送る 楽屋口
妻と呼ばれた この幸せを
抱いて死ねれば それでいい
お梅 はかなく 散る命
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